3Dワークフローを改善するヒント

 

 

正しい手順を守ることが大切です。手順さえ抑えれば、ノートに描いたスケッチから、ゲーム、映像、アプリのなかで動くオブジェクトへと、スムーズに3D制作を進めることができます。何から着手したらよいかを見極め、いつモデリングソフトを使い、いつレンダリングを行うかなど、工程や段取りを頭のなかで整理しましょう。ここでは、3D制作を上手に進めるためのヒントを紹介します。

アセットの重要性を見定め、スケッチブックに下描きする

ゲーム用の3Dアセットは、背景に飾られている小道具からキャラクターまで多岐にわたります。プロジェクト全体に照らし合わせ、それぞれのアセットの重要性を見定めておくとよいでしょう。そのアセットがユーザーの目に留まる時間の長さを考えて、どこまで細かく作り込んでいくかを決めます。それに応じて制作時間の配分が定まります。

3Dモデリングソフトを開く前に、これから作るアセットに関する画像を検索したり、ライブラリでしっかり調べましょう。この下調べを通じてイメージが固まっていきます。見つけた画像を元に、どのように仕上げたいのかをスケッチブックに下描きしてみるのもよいでしょう。この下描きを土台にモデリングに着手できます。

3Dモデリングソフトウェアを使って基本的なモデルを作る

基本的な構想が決まったら、3Dモデリングソフトを立ち上げます。やりやすいものから着手するのが得策です。シンプルにするならボックス(またはサブディビジョン)モデリングが適しています。簡単な図形を少しずつ手を入れ、スカルプトしていきます。さまざまなポリゴンに分割できるので、ディテールを加えたり、作り込んでいくのも簡単です。辺(エッジ)や頂点が4つある四角形ポリゴンを使うのがベストです。辺や頂点が5個以上ある多角形ポリゴン(nゴン)を使うと、最終的なモデルのスカルプティングが難しくなってしまいます。

制作しながら時折、作品を見直しましょう。ポリゴンができるだけ正方形になっているか、辺や頂点が5つ以上になっていないかを確認します。そうしておくと、後でモデルを手直したり、全面的にやり直すことを回避できます。

ライティングを学ぶ

モデルの出来と同じくらい重要となるのが、ライティングです。プロ向けの3Dモデリングソフトには、光源を作るボタンがあるので、クリックするだけで自動で処理できます。それでも、基礎を学んだ上で独自のライティング処理行えば、モデルがいっそう映えます。

モデリングと同じように、ネットや書籍、雑誌で参考となる画像を探しましょう。どのように光が当たっているのかを観察しましょう。3Dモデルや3Dシーンのライティングを学べるチュートリアル動画もネットにあるので、それを参考にしてもよいでしょう。何に光を当てるかに応じて、さまざまな種類の光源を選べます。電球などの光源の場合は、ポイント(オムニ)ライトを使いますが、太陽のように遠くにある光源を表現する場合は指向性ライトを使います。スポットライトはモデルの陰影を際立たせる効果があり、基本的なアセットの作成によく使われます。

ライティング処理を使いこなせるようになるには時間がかかりますが、一度覚えてしまえば、個性的で本格的な3Dモデルを作成できます。

テクスチャリングに注目する

テクスチャリングとは、ひと言でいえば、モデルの見た目をリアルに仕上げる作業です。テクスチャを変えれば光の見え方も変わってくるので、ライティングとセットで作り込むのがよいでしょう。

テクスチャリングをうまく仕上げるには、やはり下調べが欠かせません。質感や見え方の違いをきちんと理解しておく必要があります。レンガや人間の肌といった素材や、造作の違いにより光の当たり具合がどう変化するのかといった基本的な理解があれば、限りなくリアルな質感をテクスチャで追求できます。

写真編集ソフトウェアでもテクスチャを作成できますが、プロ向けの3Dデザインソフトならプロシージャルテキストマップを作成できます。これなら微調整するだけでさまざまな素材を表現でき、写真編集ツールで作成したアセットよりもやり直しが簡単です。なによりも、アセットを保存し、後から再利用できるのが便利です。趣向やクライアントの要望に応じて手を加えるだけで、応用が利きます。

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インスタンス化をマスターする

インスタンス(リファレンス)化は、とても便利なツールです。一つのモジュールを複製して並べるだけで、都市の景観や森などの複雑な背景シーンをすばやく作ることができます。さらに、一つ一つプログラミングをする必要があるワンオフモジュールではなくクローンモジュールなので、レンダリング時のCPU負荷も軽減します。

ビルが並ぶ大都市を作る場合、モジュールを複製して、さまざまなベースメッシュを作成できます。本格的な3Dソフトウェアならインスタンスをランダムに生成できるので、建築物や森林が画一的に見えることもありません。

共同制作を行う現場では、モジュールを外部のインスタンスとして使うことで、チーム内で制作物を使い回すことができます。ゲームのどのセクションでもキャラクターや背景のアセットを表示でき、ゼロから作る手間が省けます。

スムーズなレンダリング

レンダリングは、3Dモデルを2Dイメージに変換するプロセスです。レンダリングを行うことで作った成果物が実際のゲームや映画でどう見えるかを確認できます。

3Dモデリングソフトウェアには、レンダリング設定のプリセットが用意されています。モデルの見せ方に応じて設定を変えると、レンダリング結果を調整することができます。ここでアセットのサイズや解像度を決めるので、モデルの完成形の明確なイメージを固めておきましょう。また、シェーディングのニュアンスも細かいところまで押さえておきます。HDRI(ハイダイナミックレンジ合成)はモデル完成時の見え方を左右するので、それを使えるようにしましょう。

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ワコムについて

ワコムではその企業理念として、人々がテクノロジーを自然に利用できるようなインタフェースを提供することで、人とテクノロジーの架け橋となることを追求しています。この理念のもとに、ワコムはインタラクティブに使用できるペンタブレットやペンディスプレイ、デジタルペン、電子サインの保存・処理ソリューションの分野を世界的にリードするメーカーとなっています。ワコムの直感的に使用できる入力デバイスの高度なテクノロジーは、今最も注目されるデジタルアート、映画、特殊効果、ファッション、デザインなどの制作において世界中で使われています。また、ビジネスからホームユースまでのさまざまなシーンでユーザーの個性を表現するための最先端インターフェース技術を提供しています。ワコムは1983年に日本で創業されて以来(東証1部:コード 6727)、世界的に事業を展開するメーカーとして成長してまいりました。現在、150ヶ国以上における製品の販売や流通を支えるために世界各地に子会社や関連会社を設けています。  

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