目指したのはプロフェッショナルなデザイン
近年、ワコムでは新製品開発にあたり、ETCという取り組みを実施している。ETCは部門横断的に集まった有志から構成されるタスクフォース。日常業務で培った専門領域の知識と経験を集積し、特定の課題解決を図ろうとするものだ。13.3型フルHD有機ELディスプレイを採用し、ポータビリティを追求したWacom Movink 13の企画・開発でもETCが立ち上げられ、全社から8名のメンバーが参加した。
「すべてのワコム製品が大切にしているのは『紙とペンの体験』。特にクリエイターに向けては、アナログと遜色のない描き心地で、違和感なく創作に集中できるデバイスを理想としています」と語るのは、Wacom Movink 13のETCでプロジェクトリーダーも務めた小幡幸結。 プロダクトマーケティングが専門の小幡は、開発、マーケティング、セールスといった各部門とETCをつなぎ、製品の方向性を検討するというプロジェクト全体のまとめ役を担った。
この製品が目指したのはユニバーサルデザインではなくプロフェッショナルデザイン。万人が使いやすい優等生というよりも、創作の最前線を走るプロクリエイターから熱狂的に支持されるような、個性際立つ魅力的な異端児的存在だ。