2020年11月、ワコムは、「創造的混沌」をテーマにしたイベント「コネクテッド・インク2020」を開催しました。コネクテッド・インクとは何か。創造的混沌とは何なのか。イベントの存在やそのテーマ自体が問いを内包したまま、テクノロジー、クリエイティビティ、アート、音楽など、分野を越えて人々が集まり、熱狂を共にしました。イベントが終わって半年以上が経った今も答えは謎に満ちたまま、その問いは「コネクテッド・インク2021」へと続きます。
自分たちの存在意義は何かという終わりなき問いを深めること。問いを立て、進み続けること。ワコムが社会との関わりを考える際に大切にしていることです。コネクテッド・インクは、ワコムが終わりなき問いを続けていくことへの新たな覚悟であり、挑戦の始まりです。ここでは、コネクテッド・インク2020で生まれたいくつかの問いを振り返りながら、コネクテッド・インク2021へと続く旅路を想像してみたいと思います。
人、自然、もの、テクノロジーの穏やかな共生とは?
このセッションでは、Team KOPPA、mui Lab、ワコムが人間とテクノロジーとの距離感について想いを語りました。会場に出現したmui Lab社の知が集う「キャビン」も、セッションに応じて姿を変える「ステージKOPPA」も、人、自然、ものやテクノロジーとの共生を考えて作られたものです。これらは、イベントの後も場所を変え存在し、迷いさまよいながら、創造の旅を続けています。そして、コネクテッド・インク2021では、自然との関係性から宇宙との関係性へと問いが拡張していきます。
https://youtu.be/GY5HVsX-qmg (コネクテッド・インク YouTubeチャンネル)
絵を描くことが好き!を支え続けるには?
神奈川県大磯町、アイネット、セルシス、ワコムの4社が一丸となり、大磯町の子どもたちのために何ができるのか、大人たちが真剣に問い続けているプロジェクトです。テクノロジーの側面だけではなく、共同体として子どもたちの体験を支えていきたいという情熱に突き動かされ、アートの領域を越えた新たな挑戦へと成長を続けています。
https://youtu.be/NXQjaJ1FasI (コネクテッド・インク YouTubeチャンネル)
デジタル教育の挑戦をチャンスに変えていくには?
ドイツでデジタル教育に従事するヴェレナ・パウザー氏と、ワコム インクディビジョンSVPのハイジ・ワンとのセッションでは、コロナ禍で急速に進んだデジタル教育を背景に、新たなアイデアで挑戦していくことについて語りました。これまでにないスピードで世の中が変化する今、教師、生徒、政治家、そしてワコムのようなIT企業が一丸となることが大切なのではないかとパウザー氏は投げかけます。子どもたちの成長を「ライフロングインク」という生涯にわたる価値と経験の提供で支えていきたいと考えるワコムは、この挑戦をどのようにチャンスに変えていけるのでしょうか。
https://youtu.be/7C-k-_kHWZ0 (コネクテッド・インク YouTubeチャンネル)
若き才能を世界へ解き放つためにワコムができることとは?
若者の就労問題を抱えるナイジェリアのカドゥナ州で、世界銀行グループとロックフェラー財団と共にワコムが支援した「Click-On Kaduna」。デジタルアート、デザイン、起業などのデジタルスキルを若者や女性が身につけることで、就労や経済的機会を創出するためのプログラムです。特に、学びや雇用の機会が減少したコロナ禍で、デジタルスキルは人々の創造性を引き出すきっかけとなり、未来への希望へとつながっています。ワコムはこれからも、紛争や暴力に直面するカドゥナ州のような地域に焦点を当て、学びたい、働きたいという人々の思いを実現するために歩み続けます。
https://youtu.be/ZHT43zlEb2Y (コネクテッド・インク YouTubeチャンネル)
本物の体験を届けるには?
このセッションでは、アニメーション界のスター、マイク・モリス氏らの協力を得て実現した「カートゥーン・クランチ」を紹介しました。アメリカ、カナダ、ラテン・アメリカからリモートで集まった学生たちが、プロの指導を受けながら、一週間という限られた時間で短編アニメーションを制作。若きアニメーターたちへ、教育の機会だけではなく、本物の体験を届けるために何ができるだろうか。プロのアニメーターたちと共にワコムは考え続けます。
https://youtu.be/8C76zsZRj-8 (コネクテッド・インク YouTubeチャンネル)
Where is My Soul? Ars Electronica Futurelabとワコムが互いに問いかけるFuture Inkとは?
Ars Electronicaとの協働プロジェクト第一弾として発表された「スペースインク」。芸術表現Spaxels (スペース+ピクセル)とペンの技術を掛け合わせた、新たなドローイングの可能性を探る試みです。アーティストがペンで創作し、それを解釈したドローンが自身の言語で新たに表現する。この試みから生まれたのは、「魂とは?」「なぜ心が震えるのか?」という新たな問いでした。共鳴するエネルギーから生まれる時間がそうさせるのか、それとも、刻まれる時間の中で生まれるエネルギーに共鳴して何かが起こるのか。コネクテッド・インク2021でも、新たな作品を通して問いかけを続け、社会との対話の場を創造します。
https://youtu.be/G1esa8u63X8 (コネクテッド・インク YouTubeチャンネル)
クラシック音楽の自由と制約とは?
コネクテッド・インク2020の最後を飾ったのは、日本フィルハーモニー交響楽団 とLIMITS(リミッツ)のパフォーマンス。自由と制約をテーマに、LIMITSのアーティストたちが描く20分間を奏でたのはベートーヴェンの交響曲第5番。クラシック音楽の伝統と文化を絶やさず、挑戦を拓いていく日本フィルの運命の扉がたたかれた瞬間だったかもしれません。自由と制約への問いを持ち続ける彼らとの挑戦はコネクテッド・インク2021へと続きます。
https://youtu.be/m51lnGV4eyM (コネクテッド・インク YouTubeチャンネル)
コネクテッド・インク2021へ
いくつもの瞬間や人々が交差し、混沌が重なり合ったコネクテッド・インク2020。開演の合図ともなったオープニングセッションでワコムCEOの井出はこう語っていました。
「創造的混沌は、今日がはじまりでずっと続いていく旅路です。人間社会にとって大切なアート、テクノロジー、学びをコネクテッド・インク2021につなげていきます。正解というものはありません。ただ、それぞれが抱く想いに向き合わなければいけないと思っています。未来に想いを馳せながら、創造的混沌をみなさんと一緒に抱き留めたいと思います。」
全ての問いはコネクテッド・インク2021へと続きます。“さらなる”創造的混沌を目指して。
「コネクテッド・インク2021」
2021年11月 16 ・17日、オンラインとオフライン(東京、北京、デュッセルドルフ、ポートランド)で開催予定です。
https://www.wacom.com/events/connected-ink
※小林覚さん描き下ろしのロゴ。「コネクテッド・インク2020」オープニングセッション中にライブで描いていただいたロゴを原案に、毎年どこかに開催年度の数字が描き足されていく「成長していくロゴ」です。2021年は彩色もしてくれました。
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