クリエイターになりたい-子どもたちの未来を応援する1

 


「どうすればクリエイターになれますか?」

日々お客さまやコミュニティーと向き合うワコムのチームメンバーのもとには、このような声が寄せられることもしばしば。学研教育総合研究所『小学生白書Web版』(2022年9月調査)によれば、マンガ家、イラストレーターといったクリエイターは「将来つきたい職業」の上位に並びます。デジタルインフラの発展、海外へのコンテンツ市場の拡大といった社会の変化の中で、クリエイターという仕事が子どもたちにとって憧れの対象となることは自然な流れなのかもしれません。そのような状況を受けてか、地域や教育機関等によるクリエイティブ人材育成を目指す取り組みも進み始めています。

クリエイターになりたいという子どもたちの夢はまた、ワコムのチームメンバーの心の灯りとも重なって、私たちのさまざまな取り組みへとつながっています。エヴァンジェリストとして活動する轟木保弘も、クリエイティブ人材の育成に情熱を燃やすチームメンバーの一人。特に アニメーションの世界に魅せられ、プロのアニメーターとともに子どもたちへ体験の機会を届けたいという轟木に、鹿児島県錦江町との取り組みについて聞きました。


鹿児島県錦江町とはどのような取り組みを行っているのでしょうか?

轟木: 鹿児島県錦江町のMIRAIづくりプロジェクトに協力して、2022年12月にアニメーション制作に興味を持つ子どもたちを対象にしたワークショップに参加しました。小学校高学年から高校生までおよそ15名が参加し、プロのアニメーターからレクチャーを受け、あらかじめ描いた原画に「色付け」し、原画に動きをつける動画の「中割り」の作業を学びました。

中割りというのは、アニメーションの専門的な教育を受けた後に習得する難しい作業なのですが、デジタルツールのアシストを受けることで、子どもたちでも体験しやすくなります。基本的なやり方を学ぶと、あっという間に自分たちでマスターして、半日で簡単なアニメーション作品を完成させました。ワークショップで体験するのは、膨大な作業のほんの一部なのですが、一枚一枚手で描いていることや、ひとつひとつ手間のかかる工程を経て作品が出来上がるのだということを感じてもらえるのではないかと思います。

錦江町MIRAIづくりプロジェクトの特別企画として協力しましたが、好評を博し、翌年度も開催する運びとなりました。プロの制作現場について話を聞いたり、完成した作品を講評してもらう時間もあり、好きなことをこうして仕事にできるのだという子どもたちの希望につながれば嬉しいです。

   


取り組みを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

轟木: 錦江町が行う地域おこしの取り組みで、ワーケーションを体験したマンガ家の方からのお問合せがきっかけでした。その方が現地で実施したワークショップが評判を得て、錦江町を盛り上げたいというマンガ家の方の思いと、錦江町の未来づくり課の方の熱意が実現を後押ししました。ちょうど、アニメ企画・制作会社の株式会社ノーヴォの代表取締役・宇田英男さんが鹿児島にゆかりがあると知り、一緒に参加する運びとなりました。地域にちなんだクリエイターやスタジオとの協業を大切に考えています。


参加した子どもたちの反応はいかがでしたか?

轟木: 子どもたちの反応はものすごくて、目の輝きや喜びの声といった新鮮な感動を目の当たりにしました。デジタルネイティブ世代の子どもたちにとって、デジタルツールはすでに身近なものとして存在しています。そこに、自分のアイデアや創造性を表現する楽しさが加わることで、クリエイティブの世界へと一気に飛び込むことができるのだなと感じました。子どもたちがこれからアニメーション作品に触れるとき、記憶として連なるような体験をお届けできたら嬉しいですね。

同時に、親御さんたちからは、「クリエイターを目指すことを応援してよいのでしょうか?」といった質問も受けます。子どもたちの将来を考え、より長く携われる仕事に就いてもらいたいというのは当然の願いだと思います。私は、クリエイターは技術職なので、技術さえあれば、40年、50年と続けられる職業であるということをお伝えしています。好きなことを突き詰めていけば、それが仕事になるのだと信じて、技術の向上に早くから取り組んでもらえるように、子どもたちにも親御さんにもお伝えしていきたいです。


他にも地域との取り組みが進んでいるようですね。

轟木:将来を担う子どもたちにクリエイターを目指したいと思えるようなきっかけ作りを提供したいという思いから、クリエイティブ・ビジネス・ユニット一丸となり、自治体と業界のプロの方々と全国各地でワークショップを開催しています。マンガ、イラスト、アニメーション、コンピューターグラフィックスなどの入門講座を体験するワークショップで、自治体との調整、クリエイターやスタジオの紹介、機材の提供をワコムとしてサポートしています。

デジタルインフラや交通インフラの発展が進んだことで、制作の環境や拠点の自由度が高まり、クリエイターになるということはより実現しやすくなっていると思います。私自身が地方出身であることも相まって、地域から一人でも多く、素晴らしいクリエイターを生み出したいという思いがあります。クリエイターの活躍に対する地域の理解を得ることで、地域の方々と一緒に、子どもたちがよりクリエイティブに挑戦しやすい環境を作っていけたらと思っています。


クリエイターを目指す子どもたちを応援する取り組みにかける思いは何ですか?

轟木: トップクリエイターといわれる方の中には、子どもの頃から絵を描くことが好きで、ずっと描いていて、プロになったという方が大勢いらっしゃいます。プロのクリエイターの創造性や描くスピード、生産性などを拝見すると、子どもの頃から絵を描いてきた経験が活かされていると感じます。クリエイターを目指す子どもたちには、好きなことが職業になることや、絵を描くことが技術になるということを、今後もお伝えしていきたいです。

クリエイティブはとても楽しい世界です。その世界でより長く活躍するためのきっかけ作りをお手伝いしたいと思っていますし、何よりも、人と会って話すことが好きなのです。ワコムの製品を介して、地域のクリエイターや子どもたちが元気に、そして、世の中が明るくなるような作品がより多く生まれたら、幸せだなと考えています。


 

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プロジェクト一覧

Social Initiativesの現在地とこれから:5年間の取り組みを振り返って

Social InitiativesのこれからをワコムのMeaningful Growth(意味深い成長)につなげるため、CEOの井出とともに5年間の活動を振り返ります。

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私たちの灯り‐Focus: The Autistic Superhero Loves Comic Art!/Yvonne Wan

チームメンバーやコミュニティーの方々の作品を紹介する「私たちの灯り」。自閉症のスーパーヒーローを描いたYvonne Wanさんの作品を紹介します。

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森にかえる/コネクテッド・インク 2023

コネクテッド・インク 2023 のテーマは「森にかえる」。再び集まった仲間たちと一緒に、クリエイティブ・カオスの森にかえった記憶からいくつかの記録をお届けします。

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将来への可能性を広げ、希望をつないでいく「CREATEプログラム」

ワコム・カナダは、シスラー高校が提供する「CREATEプログラム」にパートナーとして参画し、クリエイティブ業界へのキャリアパス支援を目指した包括的な取り組みに携わっています。

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私たちの灯り‐Join The Journey/Arian Rahmatzai

チームメンバーやコミュニティーの方々の作品を紹介する「私たちの灯り」。ワコムでインターンを体験したArian Rahmatzaiさんが、日本をテーマに描いた作品を紹介します。

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クリエイターになりたい-子どもたちの未来を応援する1

クリエイターになりたいという子どもたちの夢はチームメンバーの心の灯りと重なり、多くの取り組みにつながっています。鹿児島県錦江町のアニメーション制作ワークショップに協力しました。

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クリエイターが安心して創作を続けられる世界を目指して/Wacom Yuify

目に見えないマイクロマークを作品に埋め込むことでクリエイターの創作の証を記録するサービス、Wacom Yuify。地域や文化によって異なるクリエイターの要望に応えようと開発を進めています。

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デジタルインクテクノロジーをより多くの人に届けたい/中国での取り組み

デジタルインクテクノロジーの認知拡大と普及を目指すInk Division。中国で唯一のプロダクト・マネージャーとして挑戦を続けるラニー・ジャンに取り組みに対する思いを聞きました。

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wacom

私たちの灯り‐昼下り海辺で/sammy

「私たちの灯り」では心の灯りをテーマにチームメンバーの作品を紹介してきました。今回は「かくこと」を軸にともに取り組みを進める神奈川県大磯町のアーティストによる作品を紹介します。

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wacom

誰もが創造力を発揮できる場を/ワコム・エクスペリエンス・センター

コミュニティーとの交流を目的に生まれたワコム・エクスペリエンス・センター・ポートランド。その旗振り役を務めるメーガン・デイビスの心の灯りとともにこれまでの成長を振り返ります。

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ただここで起こることがすべて/コネクテッド・インク2022

二つの大きな問いかけとともに開幕したコネクテッド・インク2022。東京で開催されたいくつかのセッションを紹介しながら振り返ります。

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私たちの灯り‐光を運ぶ風/棕櫚

「私たちの灯り」では心の灯りをテーマにチームメンバーの作品を紹介してきました。今回は「かくこと」を軸にともに取り組みを進める神奈川県大磯町のアーティストによる作品を紹介します。

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「かくこと」を支え続けたい/大磯町との取り組み

神奈川県大磯町とのコラボレーションは「かくこと」を軸に町全体の取り組みへと広がりをみせています。担当するクリエイティブBUの坪田直邦に話を聞きました。

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コネクテッド・インクという多面体の側面-2

チームメンバーの心の灯りを起点に、コネクテッド・インクという多面体の一面を覗いてみます。二人目は、Corporate Engagementを担当する桧森陽平です。

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コネクテッド・インクという多面体の側面-1

チームメンバーの心の灯りを起点に、コネクテッド・インクという多面体の一面を覗いてみます。一人目は、2016年から企画運営の中心的役割を務めるハイジ・ワンです。

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社会に存在する障壁を乗り越えるには?/コール・アンド・レスポンス

2021年9月、ワコムは、株式会社ヘラルボニーと一般社団法人コネクテッド・インク・ビレッジと共に、「コール・アンド・レスポンス」(呼びかけと呼応)という新たな取り組みを始めました。

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余韻の中に残るもの/コネクテッド・インク2021

当日行われた70近いセッションの中からオープニングとフィナーレを振り返り、コネクテッド・インク2021がもたらしたものについて考えてみます。

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私たちの灯りー“The spark of love” by Jacky Yang

「心の灯り」をテーマに、二回目となるアートコンテストを開催しました。思いもよらぬ出来事にさまざまな変化が起こる中、今、そして未来へと続くチームメンバーの心の灯りを作品を通して紹介します。

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問いを立て進み続ける/
コネクテッド・インク2020

「コネクテッド・インク2020」は、終わりなき問いを続けていくワコムの新たな覚悟であり、挑戦の始まりでした。

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物語をつないでいく舞台「ステージKOPPA」

コネクテッド・インク2020の舞台として制作された「ステージKOPPA」。多様な場面に応じて、形や役割を変化させ、そこで起こるさまざまな物語をつないでいくステージです。

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私たちの灯りー“Mam and Dad’s Child Interest” by Stella Wang

「心の灯り」をテーマに、二回目となるアートコンテストを開催しました。思いもよらぬ出来事にさまざまな変化が起こる中、今、そして未来へと続くチームメンバーの心の灯りを作品を通して紹介します。

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私たちの灯りー秋山でのひととき/山本高廣

私たちの取り組みで大切にしている「灯り」をテーマに、チームメンバー(社員)を対象にしたアートコンテストを開催しました。チームメンバーによる投票で選ばれた三作品を紹介します。

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ステイホーム期間中に小学生向けオンラインお絵描き教室を開催

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、外出自粛をしていた子どもたちに何か楽しい時間を提供したい。FC KAZOとイラストレーター・すいいろさんと共に、小学生を対象としたオンラインお絵描き教室を開催しました。

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サッカーを通じたワコムの新たな取り組み

FC KAZOと共にチームと地域を育てたい。ワコムは埼玉県加須市のフットボールクラブ「FC KAZO」のオフィシャルパートナーとして活動を支援しています。

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私たちの灯り-"The spark is in you! Mirror portraits during times of isolation" by Oliver Madlener

私たちの取り組みで大切にしている「灯り」をテーマに、チームメンバー(社員)を対象にしたアートコンテストを開催しました。チームメンバーによる投票で選ばれた三作品を紹介します。

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休校中の子どもたちにオンライン・スケッチノーティング講座

新型コロナウイルス感染拡大防止による休校中の子どもたちを対象に、ドイツのチームメンバーがオンラインワークショップ「Young Wacom」を開催しました。

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カスタマーサポートを通じてアーティストの「人生」を応援したい

アメリカでカスタマーオペレーションを担当するアレックス・ダフィーは、アーティストを支援する新たなプログラムを立ち上げました。このプログラムを立ち上げるきっかけとなったアーティストのデボン・ブラッグ氏との物語について、アレックスに聞きました。

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3.KOPPAのはじまり/
「旅するKOPPA」の物語

KOPPAのはじまりは2019年4月。伊藤さんの展示制作がきっかけでした。展示後も「また誰かに使ってもらえるものにしたい。」KOPPAに込められた思いをお聞きしました。

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2.もう、壊さなくていい/
「旅するKOPPA」の物語

自分たちで組み立てて、広げて、しまって、また一緒に旅に出る。壊すのが当たり前であった展示什器の在り方を大きく変えた「旅するKOPPA」が誕生しました。

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1.「KOPPA」との出会い/
「旅するKOPPA」の物語

建築現場の端材を活かせないかと、建築家の伊藤維さんの呼びかけで生まれた家具「KOPPA」。ワコムとの出会いは小さな偶然がきっかけでした。

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私たちの灯り-“That Spark Inside”
by Simone Wolters

私たちの取り組みで大切にしている「灯り」をテーマにアートコンテストを開催しました。作品を通して、チームメンバーが大切にしている心の灯りの存在を紹介します。

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未来のエンジニアたちにマーケティングの講義

東京工業高等専門学校で技術者を目指す学生を対象にマーケティングの講義を行いました。

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一台に最後まで責任を持つ
セールス担当の取り組み

高校生のデジタルコンテンツ制作支援のため、倉庫に眠るペンタブレットを高校のクラブ活動や学校対抗のコンテストの副賞として毎年贈呈しています。

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未来の教育を考える
ライフロングインク×AI

学習中の視線データとペンの動きから、生徒個人の学習特性を明らかにし、個人に合わせた学習環境を提供する「教育向けAIインク」を開発しました。

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授業をもっと楽しく、クリエイティブに
Wacom Intuosを学校に導入

ブルガリアで働くソフトウエアデザイナー、ヨアナ・シメノヴァは、子どもたちのITクラスをもっと楽しくしたいとWacom Intuosを学校に導入しました。

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サステナビリティに関連した当社の規範、
方針、体制等

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